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ブナは木で無い!

ブナを漢字で書くと「山毛欅」「椈」「樗」「武奈」「武名」「附奈乃木」「生肴乃岐」
そして木偏に「無」で「木無」(変換で出てこない)と書くのが一般的だ。
「木でない木」と不名誉な表現をされる。あえてブナは「腐りやすい、狂いやすい」と
建設、建築材に不向きだと言う。
木偏に「公」は「松」松は腐りにくく粘りがあって昔から橋脚や家の梁に多く使われている。
しかしブナの森は美しい。だが美しいだけではない。枝を広げた全ての葉に雨水を受け止め枝から幹に流れ根元に集める。
地表の堆積物と土壌に深く浸透させて、その結果ブナの森は天然のダムとなる。命の清水を湧き出して豊穣な森の恵みを与えてくれる。
「木無」ではなく「木有」や「木貴」と書くべきだと林業関係者は言う。

ブナが全国に注目浴びたのはブナの原生林の白神山地。1987年、秋田県から青森県を縦断するスパー林道、青秋林道の中止の異議意見書を集めの住民運動。全国から1万3千通を越す「林道建設反対」だろう。
それから6年後の1993年、世界遺産に登録されるのである。
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店の開業は丁度白神山地の林道問題の最中。店名を何とするかで苦労した。
山仲間の北御大さんに相談、最近郊外の大型ショッピングセンターが新しく開業している。
店名は「ピア」とか「ベル」の二文字、長たらしい店名より二文字が憶えやすいだろうと北御大さんは言う。

地元福井では70年代、初めて登った1000m級の浄法寺山、800m級の大佛寺山、低いところでは日本海に近い600m級の越知山。荒島岳の様な巨木は無いが何れもブナの森がある。当時騒いでいる白神山地のブナと実際山で見ていたブナだった。
まぁ〜山好きのやる店だから木偏に無で「木無」と決めたのです。
建物も山小屋風に、木造100%で「木が無い」のも面白い。口の悪い友人は「気が無いのだろう」とも言う。

87年頃はワープロ全盛、ワープロでは外字が作れたが、それから2〜3年でパソコンが普及し始めた。
困った事に「ぶな」を変換→「木無」が出て来ないのである。
店に来る、ダイレクトメールや請求書は大きな企業はちゃんとした文字なのです。
地元の小さな企業からの請求書などには、ひらがなで「ぶな」とか、「撫でる」の「撫」が結構多いのに驚くのです。なんやかんやで来年は開業20年を迎えるのです。
年はとるものですね〜〜
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初夏のブナ
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秋 蔦が纏う
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初冬 素っ裸の森
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春を待つブナ
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